浦添市指定史跡

樋川(フィージャー)とは、地表面より水が湧き出ているところから樋で水を引く井泉のことです。井泉の水は人の体を育て、健康を保つ力がこもっていると信じられてきました。

年中水が絶えることはなく、水道が普及する以前は、正月は若水を汲んで家の火の神や仏壇に供え、子供が産まれたときは産水としても使われていました。当時は飲料水、洗濯など、村にとっては日常生活に欠かせない存在でした。

昭和10年の改修で水タンクが設置されましたが、後方にある樋は改修以前の形をとどめています。樋の側に石の香炉を据えて、井泉の神を大切に祀っています。