起業家インタビューVol.4【ブエノキッチン】

記事番号: 1-4540

公開日 1900年01月01日


ブエノキッチン オーナー 浅野ブエコ朝子(あさの・ぶえこ・あさこ)

浦添市でチキンの丸焼き専門店「ブエノチキン 浦添」を営む両親の一人娘として生まれた浅野ブエコ朝子さん。2004年から県内大手広告代理店でコピーライターとして活躍していましたが、「他の会社の広告を作るより両親の店の広告が作りたい」と家業を継ぐことに。2014年にご主人が起業したことにも刺激され、翌年4月に新たな試みとしてチキンのイートインスペース「ブエノキッチン」をオープンしました。両親の反対や開業準備中の妊娠などの紆余曲折をへて、1年半後にはお店も順調に。二代目なりの店舗づくりに、家事に子育てにと、ブエコさんの挑戦は続いています。
 

二代目としての自分にできること…。身の丈にあったサイズでコツコツと、楽しみながら可能性を探っているところです(笑)


ご両親のお店を継ごうと決めた時に、なにか特別な思いがありましたか

                         

「ブエノチキン 浦添」は父と母が1982年にはじめたお店で、チキンの丸焼きだけを販売して35年以上になります。営業を続けるなかで、うちのチキンに親しんでくださっているお客さまにもお子さんができたり、お孫さんができたりと、地域とともに育ってきた店なんです。二代目になろうと決めた時から100年続くようなお店にしたいと思い、私の得意分野である広報に力を入れたほか、ネットショップもはじめました。
 

ブエノキッチンのオープンにご両親は猛反対だったそうですね

                         

両親が焼くチキンは特に焼きたてが格別なんです。丸焼きってどうやって食べたらいいのかわからないなどという声もあり、お店の隣で気軽に焼きたてを味わえるスペースを作ればニーズがあるはずだと、確信に近いものがありました。それに、二代目なりに将来を考えると、人材を育てお店を成長させる準備の必要性も感じていたんです。ただ、当然ながら新しく店舗を持つには、開業資金や家賃、人件費などが発生しますよね。貯金100万を資金にし、夫に一日の売り上げ目標を試算してもらうなどで、なんとか両親を説得しましたが、最初は二人とも半信半疑でしたね(苦笑)。
 

オープンに至るまでには、ほかにもご苦労があったようですが

                         

イートインスペースを作るならお店の隣りを借りたいと思っていたのですが、実は当時、お隣りにはほかのテナントが入っていたんです。オーナーさんに相談して、お店を譲ってもらうことになったのはいいのですが、開業準備にとりかかったところで妊娠が発覚。お金も時間も限られているなかで、体も思うように動かず、夫や両親、友だちや知人、果ては近所の子どもにまで手伝ってもらって、なんとか1ヶ月半でオープンにこぎつけました。でも、オープンから半年間は出産や子育てに追われ、売上が赤字でも打つ手がなかったですね。
 

ブエノキッチンをはじめてよかったと思うことは?

                         

オープンから1年半。最近はようやくお店らしくなり、仲間と呼べるスタッフも入ってくれて、売上も安定してきました。両親が口うるさく言わなくなり、平穏な日々がもどってきたのがよかったな、なんて(笑)。まあ、でもお客さまから感謝の声が多いのが、飲食スペースをはじめて本当によかったと思うことですね。これまでインターネットでご購入いただいていた方が、沖縄に来た時に食事に寄ってくださるなんてこともあります。お客さまの「おいしい!」という顔が直接みられるのが飲食店の楽しさ。もっともっと繁盛店にして、早く両親をラクにさせてあげたいです。
 

出産・育児が重なり起業のご苦労も多かったと思いますが、今の思いは?

                         

起業までにいろいろな壁もありましたが、自ら望んで二代目をめざし、自分のやりたいことを楽しくやっている母親の姿は、子どもにとっていい刺激になるのではないかと思っています。これからも「自分の幸せってなんだろう?」というのを第一に考えて、バランスをとりながらムリせず、自分のやりたいことをコツコツと続けていきたいですね。

ご自身の経験を踏まえて、これから起業される方にアドバイスを!

                         

私の場合は妊娠でしたが、なにかをはじめる時にはなにかしら予想外のアクシデントがあると思います。そういう時のために「期限や資金に余裕を持つ」「自分の能力や人脈を含めた自己資源を活用する」「はじめは別の収入源を確保しておく」などすると安心だと思います。起業は単なるスタートですので、大々的に立ち上げて注目されても長続きするとは限りません。自分に合った規模ではじめて長い目で育てていく「身の丈起業」をおすすめします。いろいろと乗り越える課題が出てきたとしても、自分が成長するチャンスだと捉えれば、自然と自分の置かれている状況や周りの人との関係に感謝の気持ちが湧いてくるものです。

企業紹介

                         

ブエノキッチン
事業内容:飲食業
開業年:2015年
TEL:098-876-0452
住所:沖縄県浦添市内間1-14-2
WEB:http://www.buenourasoe.com/

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