【学推担当より】今年度の学推施策について②

公開日 2025年06月16日

 学推担当の眞榮城です、今回はお子さんの学習を見守る際の参考になりそうなことをいくつか書きたいと思います。

 

1.大人と子どもの認識の違いは大きい

 例えば、お子さんを見守りながら、「もっと頑張って!」と声をかけたとします。この「もっと頑張る」とは、具体的にどのような行動を示すのでしょうか?

 ・大人の認識としては、「もっと頑張る」=「字を丁寧に書く」、「30分間は学習する」だとして

 ・子どもの認識としては、「もっと頑張る」=「とりあえず勉強すること」、「とにかく1ページ分は何かを書くこと」だったとしたら、どうでしょう

 「もっと頑張って!」と声をかけた後に、「もう頑張ってるし!」と返ってきそうです。このような言葉によるすれ違いがおきてしまうと、子どもは素直に声かけを受け取ることが難しくなることがあります。

  ですので、具体的な行動で声をかけるようにすると良いと思います。

 ・「丁寧に書くと、もっと学習の効果が上がるんじゃない?」

 ・「今日はテスト前だから2ページ分は勉強量が必要だと思うけど?」

  具体的な行動+その理由があれば、さらに良いと思います。

 お子さんがこういった声かけを受け入れない場合も多々あると思いますが、それはそれでいいと受け止め、深追いしないほうがいいかもしれません。大切なのは言い続けること、「丁寧に書くこと=学習の効果が上がる」と子どもに価値付けることです。そのうちに丁寧に書く時がやってくると思います、それがたとえ1日だけだったとしても、その瞬間を逃さずに「今日は字が丁寧だね!」と言ってみてください、次に丁寧に書く日が早くやってくると思います。(価値付ける=その行動は効果がある、やる意味があると認識させること)

 

2.褒める・・・とは

 子どもは「褒めて伸ばしましょう」と、よく聞きます。言葉の通りに私が児童を「おぉ~、凄い!」と褒めても微妙な反応が返ってくる時があります。そんな時、私は、この児童にとってこれは大したことではない、または褒められたいことではないのだな、と受け止めるようにしています。(照れ隠しの場合もありますが)

 反対に、大人の目からは何でも無いようなことでも、児童が「先生、見て!見て!!」とアピールしてくることがあります。私はそんな時、児童にとって「見て欲しいこと=褒められたいこと」なのだな、と受け止めるようにしています。

 つまり、子どもには見て欲しいことやタイミングがあって、その時に認めることが大切だということですなんでも褒めると逆に冷めてしまうので、その子が見て欲しいことに対して適切なタイミングで声をかけたり、受け止めたりすることが褒めるだと私は思っています。

 ・いつもとは違う、良い変化(いつもは字が雑なのに丁寧に書いている、など)

 ・「見て!」や「すごいでしょ?」と言ってくる

 ・できなかったことが、できるようになった時

 ・一生懸命やっていたことが終わった時

 他にも色々あると思いますが、これらが適切なタイミングと感じることが多いです。大げさな言葉じゃくても「やったね!」と言うだけで嬉しそうな反応をすると思います。

 また、人は同じ言葉を返してもらえると認められていると感じるそうです。

 例えば

 ・「これ、凄いでしょ?」 → 「すごいね」

 ・「頑張ったでしょ?」 → 「がんばったね」

 といった具合です。私は、児童が何を見て欲しいか図れない場合は、同じ言葉を返すようにしています。

 かみもり学習へ対する意欲が低い場合は、こういったことを意識した声かけを普段の宿題の場面などでしていくと、「かみもり学習もやってみようかな!?」と言い出すかもしれません。

 

3.急に行動は変わらない

 子どもに声をかけて行動面で変化が見られないと、伝わっていないのかな?ヤル気がないのかな?と思ってしまいますよね。同じ言葉をかけ続けて変化がないと、大人のほうがイライラしてしまい、言い過ぎてしまう・・・なんてこともあると思います。

 タイトルの通り、子どもの行動(大人の行動も)は急には変わりません。時間がかかります。それがどのぐらいの時間か?それはわかりません、性格的なものにもよるし環境にもよる、出来事にもよると思います。

 しかし前述した通り、大切なのは言い続けることです。言い続けないと「やらなくてもいいことなのかな?」と解釈される場合もあります、やって欲しい行動は言い続けて、待ってみましょう。圧をかけた言い方ではないく、あくまで客観的に、アドバイスする雰囲気で「これはやっておいたほうがいいと思うけどね~」といった感じです。子どもが「やっておいたほうが良かった~」と実感する場面を何度も経験することで、体感的に理解していく → 行動に現れていくと思います。

 言っても急には変わらないと思っていれば、子どもに対して気持ちに余裕を持って接することができると思います。焦らず、怒らず、何度でも冷静に繰り返すことが肝要だと思います。

 

4.記録をつける

 私は毎年1~2回、マラソン大会に参加しています。完走がやっとの実力ですが、練習の際は記録をとることが継続する大きな力と楽しみになっています。

 例えば、1kmを6分で走ることが練習における私の中の基準だったとして(腕時計にリアルタイムで記録が出るので走りながら見れます)

 調子が悪くて1km7分ペースの日は、キツくてもなるべく6分ペースに近づけるように走りますし、調子が良くて1km5分半の日は、なるべくそのペースを長時間保てるように走ります。調子が悪すぎて無理だと感じた日は、どんなペースでも40分走りきることに切り替える場合もあります。記録を誰かに公開しているわけではありません、自然と自分の中で調整がかかるのです。

 これは勉強においても同様だと思います。

 例えば、1日1ページかみもり学習することが習慣になっている児童がいたとします。

 調子が悪い日でもなんとか1ページやりきろうとしたり、調子が良い日は2ページやろうとしたりすると思います。それは児童が自分の状態に合わせて学習を調整している場面になります。また、積み重ねは自信につながります。積み重ねたことが成績につながる実感を得れば、かみもり学習を継続する大きな力になります。

 小学校卒業までに、そうして学習の量だけではなく、質(どんな学習の仕方が自分に合っているのか)も合わせて調整できるようになって欲しいと思っています。

 

 以上、私が児童と接する時に意識していることなどから、お子さんの学習を見守る際に参考になりそうなことを挙げました。何かしらのヒントになれば幸いです。

 次回は、自学自習力を育むための学校側の取組について書きたいと思います。

 

☆沖縄県の教育施策に関わる各資料☆

「自立した学習者」育成プロジェクト

「自立した学習者」のESCORT RUNNERを目指して 

自学自習ガイド

自学自習の取組事例

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