【学推担当より】今年度の学推施策について③

公開日 2025年06月26日

 学推担当の眞榮城です、今回は「自学自習力」を高めるための学校の取組について書きます。

かみもり学び方レベリング

 「かみもり学び方レベリング」を作成して、全学級に掲示して活用しています。目的は以下の通りです。

 

1.教師と児童の認識を揃える

 前回書いた通り、大人と子どもの認識にはズレがあります。例えば教師が「ちゃんと座りましょう」と児童に声をかけたとして、児童の「ちゃんと」がとりあえず椅子に座っていればOKという認識だとしたら、教師から「ちゃんと座ってください」と言われ続けることになります。児童は自分なりに「ちゃんと」しているつもりなので、言われ続けて嫌な気持ちになってしまいます。こうなっては勉強どころではありません。

 そうした言葉に対する認識を揃えたり、教師の指示を明確にするためにかみもり学び方レベリングの言葉を活用します。

 例えば

 「真面目に考えましょう」 → 「問題を解決できるように考えましょう」

 「おしゃべりはやめましょう」 → 「授業内容に合った話をしましょう」

 神森小には約40名の教師がいます。それぞれの主観による声かけでは児童は混乱してしまいます。「かみもり学び方レベリング」という一定の基準による声かけをすることで、指導に統一感が生まれます。

 統一感とは、場面によって指導する基準がコロコロ変わることがないので、児童の目指す方向(学び方をレベルアップさせていく方向)が明確になっていく、ということです。

 

2.振り返り活動の視点として活用

 児童は自身の行動を振り返ることで、自身をより良くする方法に気づいたり、良くするための意欲を高めたりします。各授業や学校行事などで振り返りを書かせる目的は正にそれです。

 また、自身の行動を振り返るには自分を客観視する必要があります。物事を主観的に見ていた児童が、自分を客観視する機会を積み重ねていったり、友だちと振り返りを交流したりすることを通して、物事や自分に対する客観的な視点が磨かれていきます。

 振り返り活動で客観的な視点を磨く → メタ認知能力(自分自身を俯瞰的に捉える能力)が高まる → 児童が自分自身に必要な学習に気がつく

 といった流れを想定しています。

 私の実践を例にします。

 1学期は5年生の算数を担当しています。児童は毎時間、自分の学び方がどうやったら良くなるのか「かみもり学び方レベリング」を視点にして振り返りを書いて提出します。それに私がコメントを記入します。

 上の児童の場合は、第1回の時に「まわりにおしえる」ことに挑戦して学び方を良くしようと考え、第2回にそれができたことを書いています。それについて私は「予定通りですごい!」と書いています。

 これが価値付けです。良い行動が見られたら認めたり賞賛したりして、その行動は価値があるということを児童に伝えます。決して押しつけはしません、あくまで教師としての客観的な視点で「それはいいことだよ」と感じさせます。

 これは別児童の振り返りです。第4回で「分からないところがあったから練習する」と書いており、私は「家でもやればカンペキ!」とさりげなく、かみもり学習をすすめています。これも価値付けです。「家でやって!!」ではなく、「家でやったらもっとできるようになるよ」という客観的なアドバイスです。

 こうしたことを続けていくと、かみもり学習に取り組んだり、そのことを報告したりする児童が増えていきます。また、この振り返りを見て刺激を受けた児童が意欲を高め、何かしらのタイミングで取り組んだりします。良いことは価値付けて広げる、定着させる。

 

 学校では「かみもり学び方レベリング」を活用した授業や学校行事、家庭では「かみもり学習」

 この両輪で児童の「自学自習力」が高まることを期待しています。

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